適応障害

適応障害とは、日常的な仕事や生活上の出来事に反応し、不安、抑うつ、身体症状、問題行動などを引き起こす病態です。適応障害では、個人的素因よりもストレッサー(環境要因)の存在により重きが置かれます。つまり、軽度であっても病的反応を引き起こしうるストレッサーがまず存在し、これに対する自己の脆弱性や対処能力の弱さが想定され、不安、抑うつ、身体症状などは他の精神疾患の診断基準を満たすほどには重篤ではないが、通常予想される反応よりは日常生活や仕事上の支障が大きいもの、というのが適応障害の概念です。

 治療法は、個々の症状(不安、抑うつ、頭痛・胃痛などの身体症状、不眠)に対しては、薬物療法がよい改善策となり得ます。ただ、中長期的に再発防止の点からみれば、本人のストレス耐性を向上させ、人間的成長を促すような精神療法が必要と考えられます。